「天野 樹です。
 宜しく。」


それだけ伝えると、先生に指示された席につく転校生くん。


でも…天野 樹って…聞いたことが…

「心愛?」

「え?」

いきなり声をかけられ、驚きながらも声のする方を見た。

「樹…?」

少しクセのついた黒髪…。

やっぱり、あの樹だ!

樹は、私の幼なじみで昔、大阪に転校した。

「久しぶり^^」

優しい笑顔。

「おーい、天野!」

「あっ、担任読んでるから行くな」

「うっ…うんっ!!」

樹…何か変わった?

そんなことを、樹の後ろ姿を見て考えていた。