Love★Battle



*輝星side*


「…」


樹が離れていってから、沈黙が続く。


「ね…アレ、心愛?」


そう言った蛍の視線をたどると、そこにはナンパをされているのか、4人の男にかこまれている心愛がいた。


「僕、行ってくる!」


そう言って一目散に走っていった慎。
途中で、樹も呼んで心愛に近づいていく。



俺、行かなくてもいいのか…?


さっきの樹の言葉が、繰り返される。


“逃げてるだけ”


そうだ…。
俺は、逃げてた。
怖かったんだ。


“そんな程度の気持ち”


違う。
今でも…
妃奈が隣にいても…ずっと心愛のことばかり考えてた…見てた。


「行かなくて、いいの?」


そう聞いてきた妃菜。


「ごめん」


俺がそういうと、妃菜は優しく笑ってくれた。


俺は、心愛の元へ走りだした。