放たれた愛の鉛。飛び散る紅の花。

「君が……苦しむ必要は、ないよ」

消えゆく光に、進みゆく闇。
彼は言う。愛を込め、言う。

「俺は、君の味方だから」

込み上げる愛しさ、流れ落ちる悲しみ。
彼女と手を絡め、彼は微笑んだ。



第一章―霞む空と、白銀の髪