「アンタの望みはあたしなんでしょ?……だったら言うこと聞くって言ってるんだから、桜木にはもう手出しする必要はないでしょ?……お願いだから、桜木をもうこんなに痛め付けるのはやめて」



「分かった。いいだろう。コイツには手出ししないと約束しよう」



「……だったら早く、桜木のことを開放して」



「分かった。いいだろう」




あたしは桜木の体を縛っているロープを解く。




「桜木……しっかりして。もう大丈夫だよ。こんなにも傷付けさせて……ごめん」




あたしはグッタリした桜木の体を、優しく抱きしめた。
するとかすかに、桜木の体が震える。




「………お前……なんで………あんなこと………」



「大丈夫だよ。必ずあたしもここから出る。だから、心配しないで」