「………吸血鬼なんてみんな、そういうもんだ。所詮、自分が生き抜くためには手段なんて選ばない。結局は、自分が1番大事だってことだ」



「………でもだからって、こんなの、あまりにもひどすぎるよ………」




「……………」





桜木は複雑な表情をしていた。
言葉をその後、何も語ろうとはしなかった。



「………帰ろう、真琴」



「………そう、だね」



あたしたちは、ゆっくり歩き出した。
不安なあたしの手を、優しい桜木の手がしっかりと握ってくれる。



それだけであたしは、不安が少し消えたような気がした。
少しだけ、少しだけ………。




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