頭の中が真っ白になり、何が起きているのかが理解できなかった。 少女はあたりを見渡す。すると、そこには長ドスを持ち着流しを着た男が立っていた。 月明かりで男の顔がはっきり見える。 少女は息を飲み、震えた。 男は真っ赤に燃え盛る炎のような髪をし、紅色の瞳をもち秀麗な顔立ちだった。しかし、男には人間とかけ離れたものが額にあった。―額に角が生えていたのだ。