サファイヤアンドロイドの夢

いや。

私は首を振る。
信じてはいけない。
いくらあの瞳がいたいけな光を宿していたとしても、あいつは人間だ。
私たちを欺く為に、どんな手段を用いるかわからない。
私は、自分の部屋に戻るのをやめ、聖堂に向かった。

聖堂ではもはや誰もしなくなった礼拝を一心にライラが行っていた。
Mr.Dは、アンドロイド達に祈る、と言う考えも与えた。
あの頃、この聖堂で毎日のように厳かな儀式が行われていた。
だが、その儀式もライラがやると、まるで小さな子供が大人の真似事をしているようにあどけなく可愛らしい。
しばらくその無邪気な遊戯を見守った。
ライラは、本当にMr.Dを神として崇めていた。
生産途中でアンドロイド法が改定され、大量廃棄処分になったセクサロイドの一体として、廃棄工場で無に帰すのを待っていた彼女にとって、そこから救い出してくれたMr.Dは、神そのものだった。