サファイヤアンドロイドの夢

「え?」


「もういいよ。昼まで好きにしていいんだろ。俺は寝る。」


そう言うと男は、またブランケットを被りなおした。
何を言っても聞かないだろうと思い、そのまま部屋を出た。
私の部屋まで戻る間、男の不安そうな目がちらついた。

考えたこともなかった。
もし、男が本当に記憶喪失だった場合の気持ちなど。
自分が、誰だかわからない不安。
確かに、ここに存在するのに、
こうして息をして、確かに生きているのに、自分が何なのか分からない不安。

私を私だと信じていた記憶はすべて偽物で、すべてが嘘だったとわかったあの日…・・・。