サファイヤアンドロイドの夢

私は、シャツのボタンも止めずにこの部屋まで走って来たことに改めて気づき、慌ててボタンを止める。


「昼から検査をするから、それまでは自由にしていろ。」


それだけ伝えると、私は部屋から出て行く事にした。
集会の準備をしなくてはならない。


「まだやるのかよ。いい加減諦めろよ。本人がとうに諦めてるのに。」


「おまえが人間のスパイだと今ここで白状してくれたら検査は中止にするぞ。」


「おまえさ、」


男がまた私をおまえと呼ぶ。
今度こそ注意しようと振り返ると、男はまっすぐに私を見てこう言った。


「自分が誰だかわからない俺の気持ちなんてぜーんぜん分かってないだろ。」