締め切った窓から灰色の空を見る。 核の炎に包まれた空はどんよりと曇り、厚く垂れ込めた雲間からは、幾筋かの光が差し込むのが見えるだけだ。 Mr.Dは、あの空を見てよくこう言った。 「あの雲の上に、本当に天国があればいいのにな。」と。 あの雲を取り払えば、天使と戯れるMr.Dを見つけることが出来るのだろうか。 そうしたら、私はどうするだろう。 安堵と困惑と怒りと言う感情のうち、私のAIはどの感情を選び取るだろう。