サファイヤアンドロイドの夢

「見ていたいならディスクはこのままにしていく。消し方はわかるな?」


耐えられなくなって立ち上がる。


「どこ行くんだ?」


男は上半身だけを何とか起こして私に聞く。
本当は起き上がりたかったのだろうが、身体が自由に動かない。


「仕事に戻るんだ。記憶を失くした捕虜と違って私は忙しいからな。」


居たくない、ここに。
気を許すと画面に映し出されたMr.Dに見入ってしまいそうだった。


「ジェイル。」


男が私を呼び捨てで呼んだ。
あれほど説明してやったにも関わらず、男はまだ自分の立場が理解できていないようだ。
注意しようと振り向いた瞬間、男は満面の笑みでこう言った。