サファイヤアンドロイドの夢

私は、通りかかった部下に、ライラを探し、人間用の食事を用意してＭｒ．Ｄの部屋に来るように言えと命令し、男を連れてＭｒ．Ｄの部屋に向かった。

男は、Ｍｒ．Ｄの部屋を自分のものとして認識しているのか、戻った途端にほっとした表情を見せた。


「疲れたのなら眠っていいぞ。」


男はベッドに腰かけ、私を見上げる。


「何だ？」


「おまえ、本当にアンドロイドか？」


私は、おまえ、と呼ばれた事に反応する。
私が顔を顰めたのを見て、男は、質問の内容が私を不機嫌にさせたと思ったらしい。
慌ててこう付け加えた。


「えーっと、その、すっげー人間みたいだから。」


「言っただろう？私は特別だと。」


どこから話せばいいのだろう。
私が特別なこと。
アンドロイドと人間の関係。
Ｍｒ．Ｄの事。