サファイヤアンドロイドの夢

「知らないわけがないだろう。前に侵入しようとした時は、顔も身体つきもそっくりだったからな。」


だがしかし、それは、精巧にMr.Dを模して造られたアンドロイドだった。こいつは人間だ。


「とにかく許せないわ。とっとと処分しちゃってよ、こんな奴。」


「こんな奴、ね。」


男が口を挟む。
ライラは、ちらと男を見ると、まるで不潔なものでも見るように眉根を寄せる。


「彼女、キレイだね。」


男はライラの視線をものともせず、気安く声をかけ、傷だらけの右手を差し出す。
握手でもしようと言うのだろうか。
案の定ライラは、差し出された手を払いのけた。


「イテテテテテ。」