サファイヤアンドロイドの夢

幾ら考えても、捕虜として捕まえられた人間が、その部隊の実質ナンバー2に、真っ先に聞かなければならない質問であるようには思えなかった。


「なぜそんな事を聞く?」


「じゃあおまえらは何で俺の名前を知りたいんだ?こんな目に合わせてまで。」


こんな、で、男は自分の身体を目で示した。青痣と包帯だらけの身体を。


「おまえが嘘をついてるかも知れないからだ。」


「どんな?」


「記憶を失くしている、と言うね。」


「演技に見えたってのか?」


男の口調は怒っているようだが、目は笑っている。
男の真意はまだ掴めない。