サファイヤアンドロイドの夢

Mr.Dが私の顎に手をかけ、俯いていた顔を上げさせる。
止め処なく頬を伝う涙を、優しく指で拭う。


「ほら、泣き止んだら聞けよ。俺は気づいたんだ。
この俺の目の中でチカチカしてるエマージェンシーって文字は、このボディのエネルギー切れお知らせコールだ。日付は300ちょい。
なるほど、俺は、あと1年足らずでエネルギー切れで機能停止する。
確かにこんな無駄な機能がいっぱいついてたんじゃ、あんな非常用食料食ってたぐらいじゃ足りねーよなあ。
肝心のエネルギーを交換しようにも、ヤマモト博士は裁判中に病死してた。
息子のアンドロイドはあまりに人間に近すぎて生命倫理に反するってんで見つけ次第廃棄処分の決定が出てる。
お手上げだ。