サファイヤアンドロイドの夢

そうではなかった。
彼が恐いわけではない。
彼に嫌われるのが恐かったのだ。
だが、私は益々卑屈な顔になり、口元に引きつった笑みすら浮かべようとする。


「俺は誰だ?堂岡アキラ?そんな名前2年も前に捨てた!じゃあ俺は誰だ?ここにいる俺は?誰も俺を見ない、アンドロイド達が狂ったように叫ぶ名前は俺じゃない!Mr.Dだと?俺はいつからそんなものに成り下がった!」


「あの・・・・・・」


口籠る私に向けられる怒りを、私はどうすることも出来ずに受け止めるしかない。

何を言えば良かったのだろう。