サファイヤアンドロイドの夢

「いい声よね、タケル。歌手になればいいのに。」


少年も一度だけ、聞きに行った事があった。タケルと言う少年は、スポットライトを浴び、堂々と歌っていた。その歌に合わせ会場全員が体を揺らし、手拍子をしていた。
愛される、と言うのはこう言うことなのかと少しだけ少年は思った。


「馬鹿じゃないのか。いくら俺より劣ると言っても、ナンバー2だぞ。あのおっさんが手放すわけがないだろ。」


女はそれには答えず、きれいに床を掃除し終わって戻って来た掃除機を褒める。


「上手上手、よく出来ました。」


「何言ってんだよ。」