サファイヤアンドロイドの夢

女が掃除機を連れて戻って来た。小さなICを組み込まれた掃除機は、4つの車輪をつけ、彼女のペットのように足元に纏わりついている。彼女は、掃除機のボタンを押し、床に落ちた見世物の後始末をさせる。機械が機械を使う。
少年はその光景を奇妙だと思う。


「ねえ、タケルのコンサートには行かないの?今日、5時からでしょう?」


女が言うコンサート、とは、この施設の子供だけで行うレクリエーションの時間の事だ。子供ばかりを集めた施設と言う事で、虐待が行われているのではないかと疑う輩の為に、月に一度わざわざホールを開放し、一般客を入れている。ダンスや演劇、詩の朗読。中でも、少年が来るまでこの施設のナンバー1だったと言うタケルの歌は、毎月その時間だけ立ち見が出るほどの盛況ぶりだ。