サファイヤアンドロイドの夢

私はそのまま部屋を出る。
後はレイド補佐官からの報告書が届くのを待つだけだ。
無駄な時間を過ごした。

奥の部屋で待機していたオルクスは、思ったとおり私がやめろと言った敬礼で私を見送り、レイドに呼ばれて慌てて侵入者のいる部屋に入って行った。

多少いたぶってやれば、すぐにでも口を割るだろう。
人間どもも随分凝ったまねをしたものだ。

私は、帰りを待ち侘びていた部下達に「偽者だった。」と短く答えると、後はどんな質問も受け付けず、そのまま部屋で仕事を続けた。
今日中にEポイントの改革案を仕上げるつもりだったのに、とんだ時間のロスだ。
そう思いながらもわたしは、レイド補佐官の報告を待ち続けた。
報告はなかなか届かない。
かなりのところまでまとまっていたはずの改革案が遅々として進まず、私は堪らなくなってFポイントの番号を押す。