「た、大変です、ジェイル秘書官!」


ノックもせずに私の部屋に飛び込んで来たのは、新しく男の身の回りの世話用につけてやったアンドロイドだ。元は看護師として病院で使われていたナースロイドだけあって、よく気が付くし、まだこの世界になれない男を安心して任せていられた。


「どうした?アデル。」


「Mr.Dが、教祖様がどうしても歩いているライラをジェイル秘書官にお見せするのだと言って……ああ!Mr.D!」


彼女が状況と説明するのと同時にその光景が廊下の端からやって来るのが見えた。男が、ライラを背負い、嬉しそうに歩いて来たのだ。私を見つけると手を振った。