サファイヤアンドロイドの夢

「Mr.DのDNAの記録はありませんからね。これ以上比較するのはムリですよ。」


侵入者は小さく口を開け、寝息を立てている。
よほど疲れているのだろう。
目の下には隈が出来、荒れた肌と唇をしている。
アンドロイドには出来ない芸当だ。


「どう思います?」


レイドはまた同じ質問を繰り返す。


「Mr.Dだと言って欲しいのか?顔が違うのに?」


そうなのだ。
私たちの技術の粋を集めて開発されたセキュリティーシステムが騙されるほどMr.Dと酷似した声を持っていたとしても、侵入者の顔は、Mr.Dのそれではなかった。