サファイヤアンドロイドの夢

忘れるだと?

ライラ、この私が一瞬たりとも彼を忘れた事があったとでも言うのか?
彼の為に働き、彼の為に今もこの国を守り続けている私が、彼を忘れてしまうとでも?
忘れるはずなどない。
私は、おまえよりもずっと長い間、彼と共に過ごしてきたのだから。

だから、わかるのだ。

ほんの短い間、彼の逃げ場だったおまえにはわからなくても。

私は、もう一度、端末のデータを開く。
夜明けがもうすぐそこまで迫っていた。

返せるものなら返したかった。
ライラの美しい足を。
私は、何もかもを元のままにしておきたかったのだ。
Mr.Dが行方不明になった日そのままに、
彼がいつ帰って来ても戸惑わなくてもいいように。