サファイヤアンドロイドの夢

美しさだけを追求したライラの人工皮膚は、焼けるように熱い砂漠の砂に溶け、皮膚の裂け目から細かい砂が入り込み、その機能を停止させてしまったのだ。
ライラを見つけ、応急処置を施した上、ライラの足の為に、貴重な部品と人工皮膚を取り寄せたのは私なのだが、ライラは私と口をきいてもくれない。

ライラは男をDと呼び、男は、手術への不安を訴えるライラのそばについている。
あの頃の二人のように。
群衆は男を待ちわびている。
まるで・・・・・・あの頃のように?

違う、
そうではない。

あの男はMr.Dではないのだから。

確かに、バラバラになりかけた群衆を統率するのには役に立っている。だが、それもMr.Dがお帰りになられるまでの間の事だ。
Mr.Dさえお帰りになれば、あんな男、いつだってお払い箱に出来るではないか。
恐れる事など、何もないのだ。

………恐れる事だって?