あの頃、毎晩のように繰り返されていた集会。
地鳴りのように繰り返されるMr.Dの名前。
熱狂の渦が、Mr.Dを飲み込もうとする。
だが、Mr.Dは、その狂乱に巻き込まれる事なく優美に手を振り、その声援に応える。
唇の端に笑みすら浮かべて。


「レジェール代表?私だ。ジェイルだ。」


Jポイントの責任者を呼び出す。端末のキーを叩き、3年間閉じられていた項目のパスワードを入力し、データを取り出していく。


「レイド補佐官をそちらに向かわせた。あと2時間もすれば着く。詳細は、レイドから聞いてくれ。・・・・・・そうだ。レイドが着いたら、本部に連絡を入れるよう伝えてくれ。」


端末に移したデータに目を通す。