サファイヤアンドロイドの夢

「Mr.D!」


「Mr.D!」


広場の群衆が、全員で拳を振り上げ、Mr.Dの名を連呼した。
男は、群衆の声に優美に笑うと、蹲っていた私に手を差し伸べた。

私は振り払ってやりたい怒りを抑え、わざと血に濡れた右手でその手を掴んでやる。

その姿は、群衆の目には明らかに証明として移るからだ。
Mr.Dの活動当初から仕えていた秘書官がその手を取るのだ。
これ以上の認め方があるだろうか。


「我らがMr.Dのお帰りだ!」


男は手を振って歓声に応える。
群衆の歓声は、いつまでも止むことをしらなかった。
男は、私の手を引いたまま部屋に戻った。