サファイヤアンドロイドの夢

そうして、誰かが合図でもしたように、3年間待ち続けた者の名の連呼が始まった。


「Mr.D!Mr.D!Mr.D!」


私は、本部に連絡を取り、誘導隊の他に警備隊を一隊、こちらに向かわせるよう指示を出す。このままでは、本部に辿りつく前に車ごと押しつぶされてしまう。


「おい、今日の集会にはMr.Dが出るのか?」


男は、自分が何をしでかしたかにも気づかず、きょとんとした顔で私に聞いた。
私は、怒る気にもなれずにため息をつく。


「出るわけがないだろう。彼は今、行方不明だ。」


「じゃあ、何でこんな叫ぶんだ?」


「勘違いをしているんだ。3年ぶりに集会が開かれるんだからな。」