サファイヤアンドロイドの夢

Fポイントでは、すでにレイド補佐官の命令で、いかにして侵入者がここに入ったかを調べるため調査員達が捜査を開始していた。

侵入者の男は気を失っており、人間かどうかの検査をした後も目を覚まさないと言う。
検査結果は、明らかに男が人間であることを証明していた。

人工では作りようがないDNAを持つ有機体の身体、骨格。
すべてはこの惑星が生み出したものだ。

外から侵入したはずの男の足取りは、昨日の砂嵐できれいに拭い去られており、依然としてどこから来たのかはわからなかった。

ただ、一つ、事実として認めなければならない事は、男は、厳重に張り巡らされたFポイントを囲む壁の中から秘密の通路を見つけた上、技能的な手段を用いずに、本来の方法でFポイントの扉を開いた事だった。
その記録を、調査員は、勢い込んで私に聞かせた。