サファイヤアンドロイドの夢

ほんの些細な事なのに、私は身震いしそうなほどの衝撃を感じる。

Mr.Dもそうだった。
少し面倒くさそうにベッドの上に座り、右足を左の膝の上に乗せて履くのだ。
ジンクスだと彼は言った。
右足から靴下や靴を履くと、いいことがあるんだ、と。


「どうして右足から履く?」


私の唐突な質問に男は、暫く左足に靴を引っ掛けたまま私を見ていた。


「どうしてって、別に、癖みたいなもんだよ。」


私は、落ち着く為の努力を重ねる。
そうだ、右足から履くなんて偶然だ。
男の言うようにただの癖だ。
右足から靴下を履く人間なんて、そう珍しくもないはずだ。