サファイヤアンドロイドの夢

男は、私に笑ってみせる。
青あざだらけだった男の顔も随分ましになって来た。
意外と整った顔立ちをしている。今では平気で歩く事もできる。


「残念ながら私は忙しいんだ。」


「手伝うよ。何をすればいい?」


「おとなしくベッドにいてくれるのが一番助かるんだがな。」


「ふーん、脱走兵ねえ、大変だなあ……っと!」

勝手に書類を読み始めた男から、書類をひったくる。
記憶喪失を患っているはずの男は、自分が誰だかわからない以外は、言葉を理解し、読むことも書くことも出来る。日常生活に何の支障もない。最近は、ライラとも仲良くしている。
便利な病気だ。