*リコル視点*


「はぁ…はぁ…はぁ…」


だっだっだっだ……


「リコル様!!」


「リコル様!?どういうおつもりで!!」


「王子!!」


「リコル王子!その人間は!?」


今、俺に話しかけてる奴らは

俺の立場を知らない。

俺は何もないただのクズだとは…

とにかく

城の出口を探して走った。


「リコル!私も走る!!」


「いい!!あと、今だけ話しかけないでくれっ!!」


「でも……っ」


たぶん、こいつは

俺の傷を心配しているのだろう。

でも今はそんなこと

心配する余裕はない。