小さな恋の虹〜キミと描く夢〜



閉校後、残された後輩達は中学生と高校生に別れ、島の反対側にある学校に通うことになる。
教室は複式学級制。


つまり、中学2年と3年は同じ教室で授業を受け、高校生は1年2年が一緒に、3年生だけが別の教室で授業を受けている。


教室に入ると、先についていた圭が机に伏せて眠っていた。


あたしは、圭を起こさないようにそっと椅子を引き自席に座る。


3年生は、あたしと良ちゃんと圭の3人しかいない為、席は横並びに3つ。


窓際から、圭、あたし、良ちゃんの順だ。


開いている窓から、夏の生温かい風が吹き込んでくる。


窓から見えるガジュマルの木の葉が、夏の蒸し暑さと海岸から流れてくる潮風で、葉の表面をべた付かせながらカサカサと揺れていた。


そして、ガジュマルにイタズラをした潮風は、今度は窓から教室に張り込んできて、机に伏せる圭の茶髪を揺らしていた。