「僕達さ、同じ島で生まれて、ずっと同じ空を見て生きてきたわけじゃん?」


「…………」


みんな、海の言葉を聞き入っている。


「でも、あと半年ちょっとで、圭や良久や歌恋ちゃんは、僕達とは違う表情の空を見ることになるかもしれないんだよね?」


海……。


「そういう日が近づいてるのって、少し寂しいよね……」


夜の、暗い海のせいだろうか……。


穏やかな波が泣いているように聞こえ、あたしの瞳にも涙が浮かんできた。


去年は、何をしていても、“また来年がある”と思っていた。


今年出来なくても、また来年やればいいと。


でも、今年はそうじゃないんだ。


このキャンプだって今年が最後だし、こうやって15人で夜の海で星空を見上げるのも、これが最後かもしれない。


あまり考えたくないけど、本当に閉校するんだよね……。


そして、あたし達は卒業して、この島を出ていくんだ……。


「ねぇ、海の将来の夢ってなに?」


良ちゃんが星空に向かって聞く。