ゴマ畑が続くこの道は、学校に近付くにつれ、緩やかな上り坂になっている。
圭を追って勢いよく自転車をこぎ出した良ちゃんだったけど、上り坂に差し掛かるとペダルをこぐ足に一層力が入り、苦しそうに唸りながら自転車をこいでいた。
頑張れ、良ちゃん!
正門を入ってすぐ横にある駐輪場につくと、穴のあいたボロボロの古いトタン屋根の下に、すでに圭のバイクはしっかり収められていた。
良ちゃんが自転車を駐輪場に収めてる間に、あたしの横を中学生の子たちが次々に通り過ぎていき、あたしは「おはよー」とあいさつをする。
あたし達の通う学校は中高が一緒になってるの。
ちょっと寂しいけど、全校生徒はたったの15人だから。
少子化の為、今年は中学への入学がなく1年生はゼロ。
2階建の校舎は、今はもう使われなくなった教室もあり、ますます寂しい。
そんな事情もあり、あたし達高校3年生が卒業すると同時に、この学校は閉校することになっている。


