小さな恋の虹〜キミと描く夢〜



「さぁ、すぐに焼けるからみんな自分のお肉は自分で確保してよ~!」


あたしは大声でみんなに呼び掛け、ひとり一人に紙のお皿と割り箸を渡す。


わいわい騒ぎながらバーベキューをして、とても幸せだった。


かけがえのない、大切な時間だと思ったのは、きっとあたしだけではないと思う。


夕食を食べ終え就寝の時間になっても、テントに入る子はひとりもいなかった。


昼間と違って、吹く風が冷たい。


どこからか聞こえてくる、虫の鳴き声。


そっと空を見上げると、木々が作り出す屋根の隙間から満点の星が見えた。