ふと、後ろからかかってきた声。
振り返ると、頭に白いタオルを巻く圭が立っていた。
「なになに?」
と、あとから、圭と同じように頭にタオルを巻いている良ちゃんまでやってきた。
良ちゃんの頬は、すすで黒く汚れている。
圭と良ちゃんが揃うと、女子のニヤける目が更にニヤケてくる。
圭のクールな目と、状況を理解しようとパチパチと瞬きを繰り返す良ちゃんの目につかまり、ドギマギと返事に戸惑う。
「うわー! このお肉おいしそう! 早く食べなきゃ、あたし空腹で死んじゃう」
あたしは棒読みで言ったあと、みんなの視線から逃げるように豪快に網の上にお肉を敷き詰めた。
「おわっ! 歌恋ちゃん、一気に焼きすぎだって!」
あたしの大胆な焼き方に海が失笑する。


