口角を上げ切なげに言う圭は、もう一度祠に向き直り頭を下げた。
何を願う為にここに来たのか……。
圭は口に出しては言わなかったけど、あたし達にはわかった。
体の弱いお母さんを助ける為、圭は色々ネットで調べたんだと思う。
良ちゃんとふたりで、圭を挟んで横に並び、3人で頭を下げる。
圭のお母さんの体調、よくなりますように……。
キャンプ場へ戻る頃には、空は茜色に輝いていた。
あたし達3人を見つけたみんなは『どこに行ってたんだ』と頬を膨らませながら駆け寄ってくる。
テントの近くには、もうバーベキューの道具が用意されていて、クーラーボックスの中にはたくさんの野菜やお肉がそろっていた。


