何もなかった青空には、折り紙を不規則にちぎって作られた虹がかかっていた。
どうして、これが、こんなところにあるの?
ふと、掲示板の左下に目を向けると、そこには……
『提供者:赫 圭』の文字が。
……圭?
圭が、ここに掲示板を作ったの?
嘘……
「……歌恋?」
空耳、かと思った。
軽やかな波音に混じって、あたしの名前を呼ぶ愛しい人の声が……。
声の方を振り向くまで、少し時間がかかった。
そろりと、首だけを向ける。
……け、い?
「歌恋……」
あたしの目の前に、会いたくて会いたくて仕方がなかった人がいる。
大好きで大好きで、あまりにも好きすぎて、会うのが怖かった人。
圭だ……


