あたしに向かって吠えた良ちゃんは、次にはニッコリと笑顔になり大きく息を吐いた。


「圭と歌恋には、何の心配も必要なさそうだね。
うん、これで見切り付けれるかな」


「見切り? 何に?」


良ちゃんの言っている意味がわからなくて首を傾げる。


「はいはい、歌恋はもう考えなくていいよ。
どうせ答えは出てこないんだから」


「えー、何それー」


あたしはブスっと頬を膨らませる。


「とにかく!」


スっと、良ちゃんがあたしの目の前に人差し指を立ててきて、あたしは良ちゃんの人差し指を見て目を中心に寄せる。


「2人共、別れたら僕が許さないからね」


……良ちゃん。


「絶対、許さないから!」


良ちゃんが、はっきりと強く言った。


「圭!」


「なんだよ」


圭は良ちゃんを見て、優しく微笑む。