小さな恋の虹〜キミと描く夢〜



「みんな、歌恋の案に大賛成だったね」


みんなの消えた廊下を見ながら、良ちゃんがニッコリ笑う。


「……うん。
安心したけど、本当にそれでよかったのかな」


「これ以外に、いい案は思い浮かばないよ」


良ちゃんは言いながら、写真を丁寧に茶封筒に直していく。


その途中で手を止め、一枚の写真を手に取った。


それは、あたしを真ん中にして、右側に圭、左側に良ちゃんが映っている写真だった。


「ねぇ……」


良ちゃんの表情が急に切なくなったので、あたしは良ちゃんの顔を覗き込みながら『ん?』と眉を上げた。


「ひとつだけ確認していい?」


良ちゃんは、真剣な目で、あたしと圭を交互に見る。


「圭と歌恋、別れたりしないよね?」


「……え?」


あたしと圭を交互に見ていた良ちゃんの目が、あたしで止まり、ジッと真っ直ぐに見てきた。


「卒業したら、歌恋は島を出て圭と離れ離れになるけど、遠恋する覚悟は出来てるの?」