良ちゃんが、ポカンと口を開けている。
あたしは何だか急に自分の提案が恥ずかしくなり、目を泳がせた。
「あ、今のはただの例えだから、気にしな……」
「珍しくいいこと言うじゃん!」
……え?
俯いてた顔をパッと上げると、良ちゃんや他のみんなが表情を明るめて頷いている。
「おまえ、受験勉強のおかげで脳の細胞が増えたんじゃないか?」
圭までもが、目を丸めあたしの提案に驚いていた。
……大袈裟だよ。
あたしはただ、みんなと離れたくなくて、何か証が欲しかっただけなのに。
何かひとつみんなで残せば、確証を得られると思って。
「よし!
となると、この写真を張り付ける大きな紙が必要だよね」
「あと、大量ののりもね」
「先生に頼んで早速注文してもらおうよ!」
何だか、あたしの案は相当良かったらしく、一気にみんなのテンションが上がり、あたしと良ちゃんと圭以外、職員室に向け教室を走り出た。


