「ユリちゃん、すごいの見つけたね」
良ちゃんが感心したように言う。
「写真を使って何か出来ないかと思って調べてたら、このキャップアートが出て来てさ。
キャップと写真とじゃ出来栄えは違うと思うけど、面白いかなと思って」
ユリちゃんは、恥ずかしそうに肩をすくめた。
「写真は俺んちでコピーするから」
圭が言うと、稔くんの眉がピクリと動いて何だか不満そうな顔になった。
「“俺んち”って、正確には俺のパソコンですんだろ?
何自分だけでしますみたいな言い方してんの?」
それに対し、圭も稔くんと同じ顔でふて腐れる。
「いちいちうるせーな。
おまえのもんは俺のもんだろ」
「うわっ!
兄貴、最低」


