小さな恋の虹〜キミと描く夢〜



翌日。


あたし達3年の教室に集まったみんなが、海のデジカメを覗き込んで、何を作るかを話し合った。


けれど、みんなの口から出てくるのは、あたしの考えと同じ“アルバム”。


写真をコピーして、それを人型に切り取り吹き出しを付けて楽しいアルバムを作るだった。


でも、それじゃ何だか味気ない。


アルバムなんて誰でも作れるし、それが卒業と閉校の記念って言うのは何だかありきたりで面白くないし。


かと言って、あたしにはアルバム以外何も思い浮かばないし。


写真を使って何かをするったってね……


「ねぇ、これ、出来ないかな」


さっきから真剣に携帯をいじっていたユリちゃんが、あたし達にその画面を見せてきた。


13人で覗き込むと、そこには何やら歪な形の絵があった。


青い海の中で泳ぐ、白いクジラの絵だ。


「これ、キャップアートなんだけどさ。
小学生が卒業記念に作ったものなんだって」


ユリちゃんが画面を指して言うと、みんな『キャップアート?』と目を見合わせる。