「ほら。家庭科室戻るぞ。良久がキレるとあとで面倒だからな」 圭はクイっと校舎を顎で指し、先に背中を向けて歩いて行く。 その背中を、あたしはしばらくベンチに座りながら見ていた。 きっと、あたしだけだ。 将来のことをあやふやに考えてるのは。 良ちゃんも圭も、ちゃんと将来なりたいものの為に行動しようとしてる。 あたしは、ただ周りの真似をしてるだけ。 あたしだけが、全然前に進んでない。