ドキリとして肩が少し上がり、目を見開いた。
それに、あたし今きっと、顔赤い……。
圭とここまで密着するのは久しぶりだ。
去年まで圭の漕ぐ自転車の後ろにつかまって乗っていたけど、圭がひとりバイク通学をするようになってから圭と密着することはなくなったから。
急に圭との距離が縮まって、変に意識して調子が狂ってしまう。
「おまえら、笑えよ」
すぐ近くで、圭の低い声がして、さらに体が硬直してしまった。
良ちゃんが「イェーイ」と乗り気でピースしている横で、あたしは表情をコントロールできず、目も口もポカンと開いたまま。
海がシャッターを押し終わった後も、あたしの体は依然として固まったままだった。
チャイムが鳴って、海が手を振って隣の教室に帰って行く。


