自分の中の野心を取り除くためとか、島を出た後も困難に打ち勝ち強く突き進む力を付ける為とか、色々な説がある。


赤い天狗のような面をかぶり、着物を羽織って踊る先輩達を毎年見てきたけど、あまりカッコイイものじゃなくて、あたしは好きじゃないんだよね。


でも、とうとう、今年はあたし達の番なんだ。


早いな……。


「毎年リーダーを決めてるでしょ? 今年は僕達3人しかいないし、リーダーは圭で決まりかなって思って」


「はっ!? なんでだよ」


良ちゃんの発言にムスっと眉間に力を入れる圭。


「だって、僕達の中で一番頼りがいのある人って圭しかいないじゃん。ね? 歌恋」


「うん。あたしもそう思う。圭がリーダーだと何だか見栄えもいいし」