「今日、圭は休みだそうだ」
担任は教卓に出席簿を置いて、記入をしていく。
「圭の体調大丈夫そうですか?」
あたしが聞くと、担任は出席簿から顔を上げ「体調?」と眉を寄せた。
「圭は大丈夫だろう。お母……」
「あ~っ!!!!」
突然、先生の言葉を遮って大声を上げた良ちゃん。
「もう何? 良ちゃん。いきなり大声出さないでよ。びっくりするじゃん」
「ご、ごめんごめん。目の前を虫が飛んでてさ」
良ちゃんは後頭部をポリポリかきながら、ハハハと苦笑いする。
「圭はしばらく休みをとるそうだ」
「え? 風邪、そんなに酷いんですか?」
「肺炎をおこしかけてるみたいだな」
「肺炎!? 圭が?」
「圭?」
あたしが先生に聞くと、先生は顔を少し前に突き出して「何言ってるんだ」と言うように口を開けた。


