「またおばさんが着つけしてあげるからね」
「本当ですか?」
「もちろんよ。歌恋ちゃんは娘も同然でしょ? 娘に着つけするのはおばさんの夢なんだから、ずっとそれを叶えてよ」
「ね?」と、浴衣を少し上に上げておばさんが笑った。
娘かぁ……何か、ちょっと照れる。
あたしは恥ずかしくなって唇を噛みながら、「はい」と頷いた。
「おばさん、長く話をしてしまってすみません。早く横になって下さい」
「そうね。そうさせてもらうわ」
おばさんは額に手を当てながら言い、辛そうに大きく息を吐く。
「やっぱり、少し熱上がってるわね。でも、薬を飲んで寝ればすぐによくなるでしょ」


