小さな恋の虹〜キミと描く夢〜



「なんでそんなに俺らを撮りたがるの?」


圭が聞くと、今までテンションの高かった海が、急に切なげに瞳を伏せ寂しそうに微笑んだ。


「だって、思い出になるじゃん」


海のその言葉に、あたし達は3人で目を見合わす。


「あと半年もしたら閉校になっちゃうんだよ? 俺達、バラバラになるじゃん。それに、圭達も島出ちゃうんだろ?」


そう。


閉校したら、この学校の生徒達は中学生と高校生がバラバラになりそれぞれ島の反対側にある学校に転入することになる。


それに、あたし達3人は、卒業と同時に島を出る予定。


この学校を卒業した先輩達も、殆どが島を出て大学や就職をしている。


圭と良ちゃんとは、きちんと進路について話したことがないから、2人がどこの大学に進むかは詳しくわからないけれど、先輩達と同じように島を出ると思う。


中学から6年間過ごしたこの学校、なくなるんだよね……海の言葉で改めてそう思うと、急に寂しくなってきた。