小さな恋の虹〜キミと描く夢〜



その後、2時間続いた勉強会。


圭のおかげで何となくわからるようになったんだけど、不意打ちで応用問題を出されたら、解ける自信は全くない。


「みんなお疲れ様」


お店の自動ドアが開いて入ってきたのは、圭のお母さんだった。


手にはスイカの入ったボールを持っている。


「おばさん、こんにちは」


良ちゃんとふたりで、声を合わせてあいさつをする。


おばさんはニッコリ微笑むと、スイカの入ったボールを白い台の上に置き「ちょっと休憩しなさい」と言った。


圭と同じように色白のおばさん。


長い黒髪をひとつにまとめ、元々小さな顔が余計小さく見える。


それに、また、痩せたみたい……。


あたしは良ちゃんと一緒にボールに顔を近づけ、スイカにかぶりついた。


冷たくて、みずみずしいスイカ。


体中が潤っていく。