私たちは無言で、この場を離れた。 誰にも見つからないように。 駐車場までの道のりでも、車の中でも、終始無言だった。 何を話していいか、分からなかった。 それに、あまり話すと話してはいけないことを口走りそうだった。 そんな中、私たちは彼の家へ向かっていた。 車に乗る前に、彼に言われたんだ。 「このまま1人で帰る? それとも、オレんちに来る? 全てを教えるよ」 そう言って、私の黒髪を撫でた。